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「さぁ、お入りください」
その男は優しげな笑顔で俺に語りかけた。
俺は軽く会釈をして言われるがまま開けっ放しの扉の中へ入る。
そこは真っ白な部屋、
机を真ん中に対になったソファーがあるだけであとは何も無い…。
「お掛け下さい…」
俺はすぐさま片方のソファーに腰掛けた…。
「さて…新田宗佑(にったそうすけ)様ですね…」
「あ、はい…」
「えぇ~、初めてのお越しですよね…、
どうされました?」
どうやらここからが本題のようだ…。
「いや、大した事ではないのですが…」
「はい…」
男は熱心に俺の顔を見ている。
「見たんです…」
「見た…?」
俺は少し笑みを浮かべて男に語った。
「自分を…です」
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