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「そうだぞ壱ー…!別に先生はお前を嫌って、」
「好き嫌いは関係ねぇ!そう言う勝手な事をするのが気に食わないんだ!」
「じゃあさっさと出ていけ」
氷のような冷たい声が耳に入った。
少年も高杉も桂も互いに顔を見合わせた。
と言うより、吉田を見た。
「それが気に入らなくて出てくとほざいたんだろう?なら出てけばいい」
吉田は憎たらし気に睨んでくる少年を無表情に見つめた。
そして挑発的に鼻で笑う。
「まぁ耐えきれなくなったら戻って来るがいいさ。そん時は散々負け犬と罵ってあげる」
「出てく!コイツと長々といたくはないわぁ!」
「落ち着けー壱!」
「冷静になれ壱ーっ!おのれ栄太ー、なんて事を…!」
高杉は少年の腕を、桂は足を掴む。
少年は一旦動くのを止め、二人の力が緩んだ時に吉田を睨みつける。
「吉田、お前いつか絶対に殺す」
「それまで生きていられるのかい?」
「死なねーよ。お前より先には、絶対」
「遠吠えが」
「私はここには戻らねぇよ。シネッ」
それだけ言うと高杉と桂の手を振り払い走り出す。
「なっ!おい待て壱!」
少年の後を高杉が急いで追いかける。
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