21人が本棚に入れています
本棚に追加
「始末ダ」
「!?」
声のしたのは紅蓮のちょうど背後の辺りで、紅蓮は急いで振り返った。
すると、そこには先程まではいなかった筈の、ピエロのような恰好をしていて仮面をつけた者が、頭上に長刀を構えて振り下ろそうとしていた。
「チッ!」
紅蓮は即座に腰にさしていた刀を鞘から抜いて、振り下ろされた長刀を刀の腹で防いだ。
「てめぇ…何者だ」
「殺ス」
ただそれだけ言ってきたピエロは、さらに長刀に体重を乗せてきた。
「そうか」
紅蓮は力強く一歩踏み込むと、そのまま横に長刀を弾いて、ピエロの横っ腹に蹴りをいれて、横側に飛ばした。
「殺ス」
まだ同じ事を言い続けていて、まったく紅蓮の攻撃は大して効いていないようだ。
周りの通行人はこの二人を避けるように、遠のいて野次馬になっている。
「質問に答えろ、道化」
紅蓮は刀を構えながら脅しをかけるように睨んだ。
「消エロ」
ピエロは長刀のリーチをいかして遠距離から横に斬りかかってきて、紅蓮は斜め下に振り、長刀を止めた。
「無視か…なら、斬り捨てる」
紅蓮は長刀の刃に刀を当てながらピエロに急接近していった。
だが、ピエロが予想外の行動に出た。
最初のコメントを投稿しよう!