道化の襲撃

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「始末ダ」 「!?」 声のしたのは紅蓮のちょうど背後の辺りで、紅蓮は急いで振り返った。 すると、そこには先程まではいなかった筈の、ピエロのような恰好をしていて仮面をつけた者が、頭上に長刀を構えて振り下ろそうとしていた。 「チッ!」 紅蓮は即座に腰にさしていた刀を鞘から抜いて、振り下ろされた長刀を刀の腹で防いだ。 「てめぇ…何者だ」 「殺ス」 ただそれだけ言ってきたピエロは、さらに長刀に体重を乗せてきた。 「そうか」 紅蓮は力強く一歩踏み込むと、そのまま横に長刀を弾いて、ピエロの横っ腹に蹴りをいれて、横側に飛ばした。 「殺ス」 まだ同じ事を言い続けていて、まったく紅蓮の攻撃は大して効いていないようだ。 周りの通行人はこの二人を避けるように、遠のいて野次馬になっている。 「質問に答えろ、道化」 紅蓮は刀を構えながら脅しをかけるように睨んだ。 「消エロ」 ピエロは長刀のリーチをいかして遠距離から横に斬りかかってきて、紅蓮は斜め下に振り、長刀を止めた。 「無視か…なら、斬り捨てる」 紅蓮は長刀の刃に刀を当てながらピエロに急接近していった。 だが、ピエロが予想外の行動に出た。
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