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「うわっ!」
ピエロは後退すると、近くにいた幼い少年を片手で持ち上げて、向かってくる紅蓮に向かって投げつけてきた。
「チッ!」
紅蓮は急いで急ブレーキをかけると、刀で長刀を防いだまま、投げられた少年を片手で受け止めた。
「大丈夫か?」
紅蓮は少年を放し、声をかけると、少年は脅えた様子で頷いてすぐに人混みの中へ走り去っていった。
その直後に、周りで見ていた連中が蜘蛛の子を散らすように逃げ出していった。
「想像以上のクソだな…てめえは」
紅蓮は跳躍して一気にピエロの間合いまで踏み込み、ピエロを下から上へと斬りかかった。
だがピエロはあっさりと後ろに高く跳んでかわし、ふらふらしていた。
(こいつは俺を狙ってきているな…なら)
紅蓮は次にピエロが斬りかかってきた瞬間、すぐにかわして、誰もいないであろう路地裏へと走りだした。
ピエロは予想通り紅蓮を追ってきて、何とか一般人から離す事が出来た。
(後は無人の建物でもあればやりやすいんだがな)
紅蓮は追ってくるピエロに警戒しながらも、周囲を見渡した。
走っている隣の建物を見てみると、古くてとても人がいるとは思えなかった。
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