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紅蓮はピエロが見ているのを確認して、直ぐ様窓から建物内へ侵入すると、中の様子を窺った。
住んでいそうな気配も全くなく、そこにはただ無駄に広い空間があり、蜘蛛の巣すらもはっている。
「ここなら…」
紅蓮は中を確認し終えた直後、ピエロが背後の窓から飛び込んできて、長刀を後ろまで引いて、斬りかかろうとしてきた。
紅蓮は背を向けたまま長刀を刀で防ぐと、無防備なピエロの胸ぐらを掴んで建物の中へと投げ込んだ。
「てめえを斬れる」
紅蓮は余裕の態度で刀を構えて、ピエロと対峙した。
「紅蓮…殺ス」
「!?」
ピエロは確かにそう言って、紅蓮に斬りかかってきた。
多少驚きはしたものの、紅蓮は長刀を一度弾き返した。
すると、ピエロはまた連続で、滅茶苦茶に斬りかかってくる。
「何故俺の名前を知っていやがる」
紅蓮はピエロの長刀を刀で封じると、脅すような声のトーンで言った。
「殺ス」
ピエロからは相変わらずこの言葉だけしか話さず、必死に長刀を刀から離そうとしている。
斬りかかる以外仕掛けてこないようだ。
「そうかよ」
紅蓮はこれ以上は無駄だと悟り、完全に殺す気で戦う事にする。
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