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「ないよ~、そんな怖いのは…ナシだよ~」
ルキが紅蓮のすぐ隣で背を向けながら頭を抱えて体育座りなるものをして震えていた。
「まさか、お前話だけで怖がってるのか?」
シドが疑いながらもルキに言った。
「だってぇ、手が…手が地面からぁ…」
今にも泣きそうな声でルキが呪祖のように呟いた。
「………」
ルキが発言するとその場にいた全員が黙り込んでしまった。
「?」
不思議に思ったルキが振り返ってみると、全員うつ向いて何やら肩を震わせていた。
「限界…だ」
「何がさ?」
ルキが不思議そうに尋ねた直後に、嫌々その原因が分かる事に。
「ハッハッハッ!!話聞いただけで普通ビビるかよ!!」
シドが壁をバンバン叩きながらやかましいぐらい笑いだした。
「お、おかしくないじゃん!怖いは怖いもん!」
ルキは顔を真っ赤にしながら必死に弁解したのだが、シドだけでなくスクリューも顔を伏せて笑っていた。
「笑うな!!」
「す、すいません、つい…。あぁそれと、今回は鍵沼が入院してるので全員参加ですよ?」
「え…」
ルキの落胆も無視して、組み込まれるはめになった。
そんなやりとりで話は自然と終わっていた。
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