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しかし有哉は目の前の孫に夢中でハルの話など全く聞いていない。
「夏奈もかわいいな~。ますますアキさんに似てきて・・・ハルに似なくてよかったな」
「どういう意味だ、くそ親父」
アキは毎度のことに苦笑し、ハルは顔をだらしなく弛めた父親の姿を見て頭を抱えていた。
ようやく有哉たちの対面が終わり全員で広い部屋に移った。
そこには長くて大きい机が置いてあり食事のセッティングが済ませてあった。
そしてすでに席についている人も何人かいる。
その一人が席を立ちアキたちの元へと歩いてきた。
「こんばんは。久し振り、ハル」
ハルほどではないがなかなかの美青年がアキたちへと優しげに微笑み視線をハルへと移した。
「おう。アキ、こいつが耕介。耕介、紹介するな。俺の妻のアキでそれと息子冬馬と娘の夏奈」
ハルに紹介されアキはパッと頭を下げた。
耕介の表情が驚きからすぐに元の笑みへと戻る。
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