はじまりはじまり

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私は嘉樹の仮通夜に行く事になった。 冷たくなったあなたにはじめて会う。 顔はぐちゃグチャでそのままにはできなかったらしいから 包帯でぐるぐる巻きにしてあるらしい。 『いらっしゃい』 出迎えてくれたのは 泣きすぎて 目を真っ赤にした嘉樹のお母さんだった。 『・・・こんばんは』 私はココに来る前から決めていた。 絶対嘉樹を見ないって。 あのきれいだった嘉樹を・・・ 忘れたくなくって。 『顔見てあげて』 『辞めときます。きれいな嘉樹を残したいんです』 お母さんはやわらかく微笑んで奥の部屋に戻っていった。 この部屋には嘉樹と私2人っきりになった。 『赤い糸切れてないよね・・・うぅ・・・嘉樹・・・』 涙が後から後から頬を伝う。 トントンと誰かが肩をたたいた。 ふりかえると そこにいたのは同じクラスの 今村大樹君だった
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