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それが数日後に入った報告の電話は予想だにしないものだった。
「はい。如月です。
はい、はい…………え?一体どういう事ですか!?」
電話に出た秀也の怒鳴り声が研究室内に響いた。
部屋を覗いてみると、電話を叩きつけるように切り、震えている秀也がいた。
「おい、どうしたんだ?」
「薬を……薬を投薬した患者が、亡くなったと……」
「っ!?う、そ、だろ?
前は良好だって言ってなかったか?」
「体が予想以上に弱っていて、耐えきれなかったそうです。
ヒトなんて、弱すぎるんです。
あんな副作用、あってないようなものなのに……限りなく出ないようにしたのに!
それでも駄目だって言うなら私は、一体どうしたら良いんですか?!」
秀也は、ガクッと膝を落とし、縋るように机に突っ伏した。
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