阿部夢

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            「好きだ、高瀬」   「え?」   「お前がいい、て返事するまで許さねェから」       そう言えばオレはがた、と椅子を引き立ち上がり、バックを持って教室を出て扉を閉めた。           自分でも意外だった、こんな結果オーライな勝負に挑むなんて。   負けとわかってる試合にはオレは出たくない       だけど、オレは挑んでしまった。       気持ちを込め、投げたボールはキャッチャーであるお前に届く前に相手チームの泉に打たれて、ホームランになって…サヨナラ負け。        でもそれでもいいかな、と想う自分がいる。     アイツが少しでもオレのことを考えくれるのならば 泉じゃなくて、オレのことを               でも、一度でもいいから振り向かせてみせたかった       オレだけに見せてくれる笑顔のお前を               END              
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