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「ふぅん。相変わらず入り浸りしてるのね」
それはさておき、と話を切り換える。
「レミィが妹様を連れ出したってことはないわよね」
「中を見てみないことには。私は見ていませんが、門番に聞けば分かることでしょう」
もし、妹様が一人で勝手に出ていかれたのでは、お嬢様はご立腹なされるだろう。
いくら一緒にいる機会が減ったとはいえ、愛情は今でも妹様にたくさん向けられている。
たった一人の肉親であり、かわいい妹が外で何かあってしまうのが怖いのだ。
もちろん、妹様をどうにか出来るほどの輩はいないにしても。
心配するのが姉というものだ。
「ま、寝てるとこ起こすのも悪いし、美鈴に聞いてもらえるかしら」
目を細めながら、図書館へとパチュリーは戻る。
その後ろ姿に礼儀正しく頭を下げてから、紅魔館の番人の元へ向かった。
そこに居眠りしているはずの門番はどこにも姿がなかった。
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