当て知らず

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 目を開けたはずなのに、そこには闇しかなかった。  おかしいな、と思う。  自分の目は、たとえ暗くても昼間とあまり変わらないぐらいに物を確認できるのに。  そこで気付く。  誰かに抱き締められ、顔が相手の体に押しつけられているから、何も見えないのだ。  一瞬の浮遊感のようなものがあって、すぐにそれはなくなる。  なんだったんだろうか。  夢から覚めたはずなのに、ひどく現実感がない。  でも、それもどうでもよくなって、もう一度眠るためにベッドに向かい、倒れこんで瞳を閉じた。
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