当て知らず

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 自分の髪を撫でられる、妙に気持ちのいい感触にフランは目を覚ました。  お?と声をあげる持ち主を視界の定まらない瞳でぼんやりと見つめながら、  そこにいるのが魔理沙だと気付いたとき、 「まぁあああありさぁあああああ!!」 「っとおっ!?」  寝起きにもかかわらずに勢い良く魔理沙に飛び付く。そんなフランを魔理沙は手慣れた動作で受けとめながら、そっと抱き締める。 「よっ、フラン。元気そうだな」 「うんっ!」  満面の笑顔で答える。 「だがな、ドアを壊すのはよろしくないな。ルールをぶち破るのには賛成しても、私の家の扉だけは勘弁してほしいぜ」  もちろん、他の所有物もだ、と付け加える。それにフランは落ち込んだ様子で魔理沙を上目遣いに見て、 「……ごめん、でもでもっ、私はまりさに会いたくてっ……なのにまりさがいなくて……まりさは私のこと、嫌い?」  ひどく不安そうに尋ねてくる。どうしようもなく可愛いその姿に、思わず顔が熱くなるのを魔理沙は感じた。  こういう顔をされると、何でも許してしまいたくなる。 「好きだぜ?お前が会いに来てくれて私はすごく嬉しい。ドアを壊されたのはショックだけどな、それでも私はフランが好きなんだぜ」  そして、フランの額に自らの唇を押しつける。  フランも顔を赤くしながら、それでもさっきとは違う明るい表情で。 「まりさだいすき!」  心から叫んだ。
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