当て知らず

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「ふーん、なるほどね」  居間に座って、ちゃぶ台の上の飲みかけのお茶に手を伸ばしかけ、しかし、これを飲んでしまえば次のを足さねばならず、節約家である自分にとって、そんな無駄に飲むことは出来ないから、さてどうしたものかと霊夢の胸の内で天使ならぬ巫女と悪魔ならぬ妖怪の論争が続きつつも。 「まぁ、あんたの気持ちもよく分かるわ。でも、そんなにしてまで秘密にしておきたいものかしら」  と、目の前で土下座している紅魔館の門番を見つめた。  それに美鈴は顔を上げて答える。 「お嬢様は、妹様が外に出て何かしでかすのが嫌なの。パチュリー様も妹様の後処理は面倒だから出来る限り出したくないって言ってるし………」  そう言って、苦笑いで霊夢を見つめる。  とりあえず、土下座させたままというのも可哀相になってきたので、楽にするように手で促す。  魔理沙もアリスも神社から帰った直後、突然に美鈴はやってくるなり、頭を畳にぶつける程の勢いで土下座して、こんな依頼をしてきたのだ。 『フランを見かけても、レミリアたちには内緒にして欲しい。』 「ま、悪いことしようってわけじゃないんでしょ?それぐらいなら頼まれて上げるわ」 「あ、ありがとう霊夢!流石、博麗の巫女ね!」  そう嬉しそうに叫んで、霊夢の手を握り締める。 「…………あんたに言われても、嬉しくないけど。どのくらい黙っていればいいの?」 「私が知らせに来る。そのときは無駄に紅い紅茶をプレゼ……」 「共食いさせるな」  ビスッ、とチョップをかまし、 「長続きしないと思うけどね。天狗が嗅ぎつけるだろうに。あの本の虫だって気付かないほどまぬけじゃないし、メイド長が夕飯持ってきたらそこでアウトでしょ」  あの射命丸が気をきかせて写真とやらをとらないはずがないし。パチュリーも魔理沙やアリスに勝らずとも劣らずの程度の知識と勘を持っている。  今ごろ探しているのではないのだろうか。 「フランのあの……ふぉー、ふぉー、ふぉーおぶ…………分身するスペカにしたって時間制限があるんだからすぐにバレんじゃないの?」  だが美鈴は慌てることも悩むような様子もなく、 「それについては、とある妖怪に頼んであるから心配ないわ」 「?」
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