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「あら、やっぱりここに来てたのね」
廊下から二つの人形を従わせた金髪の少女が現れる。
七色の人形使い、アリス・マーガトロイドだ。
「こんにちわ、アリス。ご用は魔理沙?」
「こんにちわ、霊夢。………魔理沙、この前貸した本そろそろ返してもらえるかしら?」
少しトーンを落とした声で魔理沙に問い掛ける。それに魔理沙は頬を引きつらせながら、
「えと、いやぁ……まだ最後まで読んでなくてさ、もうちょい時間かかるぜ」
「それを一週間前に聞いた気がするのは気のせいかしら」
「気のせいだぜ」
「なわけないでしょ!ったく、どこに隠したんだが」
そう言って、ぶつぶつと文句を言い始めるが、少し疑問を覚える。
「アリス、お前…私の家に行ったのか?」
「そうよ。無防備にもドアが無かったから勝手にあがらせてもらったわ。」
「ちょっと待て。ドアが無い?どういうことだ?」
家を出るときは確かに扉があった……いや、そうじゃなくて、
「なんだ、じゃあ入れ違いだったわけね」
「ああ、なるほど」
「?」
霊夢とアリスだけが勝手に納得して自分だけが分からない。一体なんだというのか。
霊夢は呆れた顔をしながら魔理沙を見て、ため息をついた。
「なんだよ」
「あんたも大変ね」
「他人事かよ」
それにアリスが、
「他人事でしょ。だって、その犯人は」
アリスは霊夢に目を合わせ、二人で一緒に言い放った。
『フランだから』
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