片思い

2/2
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
  満天の空に、君の声が、響いてもいいような。  綺麗な夜。  悲しみが、悲しみで、終わらぬよう。  せめて地球は、周ってみせた。   本当に伝えたい想いだけは。  うまく伝わらないようにできてた。  そのもどかしさに、 抱かれぬよう。  せめて、僕は笑ってみせた。   「何もないんだって。ここには」って。  笑ってる君も、望んでる。  そんな声も、かき消すほどに膨れるこの万象を。   「意味はないんだって。僕には」って。  叫んでる僕も、望んでる。  無味を悟る、その先に浮かぶ光の粒を・・・。   最近は、映画の見すぎで。  奇跡も、珍しくなくなったね。  心にもないことでも、すらすら言えるようになったよ。  ほら、僕が僕から離れてく。  そんなことさえも、忘れたくなる。   「真実とはね。  それだけで、美しいんだ」と言って。   満天の空に、君の声が、響いてもいいような。  綺麗な夜。  悲しみが、悲しみで、終わると疑わぬように。  神様は僕に、夢を見させた。  今、開いていたページの上に描いてみようかな。   「離さないよ繋いでたいの僕は僕の手を」   今止まっていた、景色が動き出した気がしたんだよ。  ほら、僕の鼓動も確かに刻み始めた。  4拍子。   不器用な、僕も。  描き出して、みるよ。  終わりに向かってゆく明日を。   笑って迎える意味を・・・。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!