遠く

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 君の歌は、最近、映画の主題歌にも、なってた。 僕は、その映画の見すぎで。 奇跡なんて、珍しくなくなり、信じられなくなっていた。 こんなに、彼女が売れる何て。 もし、あの時。 出逢って無くても。 簡単に出会う事が出来てた。  ああ。 その映画に出てくるキザッタイ台詞の、心にもないことでも。 すらすら言えるようになってしまった。  どうしよう。ほら、僕が。 僕から、離れてく。 けど、今の彼女の声を聞いていると。 そんなことさえも。 何故だか、忘れたくなる。  今日も。 満天の空に、君の声が、響いてもいいような。 綺麗な夜だ。 だけど、今は君は遠くへと往ってしまった…。 既に、満月なんて見えない所に。  そんな、妄想的な、悲しみが。 悲しみで、終わると。 疑わぬように。 神様は僕に、とある夢を見させた。 -それは、ラジオから流れる歌だった。 -それは、一つの歌だった。 -それは、僕の心を、揺さぶった。 -それは、僕の頭に、刺激を与えた。 -それは、振動に近いものだった。 -そして、それは。 一つの歌を、生み出すきっかけになった。  僕は、咄嗟にノートを取り出して、開いた。 今、開いていたページの上に描いてみようかな? 今、止まっていた景色が、動き出した気がしたんだ。 勢い良く、ペンが紙の上を滑って行く。 どんどん、どんどん、溢れだして来る。  ほら。聴いてみて。 僕の鼓動も。 確かに刻み始めたんだ。  この、4拍子を。 ほらー、ほら。 ほらぁーー。
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