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すぐに他の先輩たちが師匠を取り押さえた。
暴走させると、新入生がヒクからだ。
俺は少し残念だった。
「ちょっと休ませてきますよ」
と言って、いつも座っているベンチまで連れて行き、横に
ならせた。
しばらくしてから、水を持って隣に腰掛けた。
「さっきはなにを言おうとしたんです?」
師匠は荒い息を吐きながら、
「そこ、ハトがいるだろ」
と指をさした。
ふと見ると、すでに日が落ちて暗い公園の中にハトらしい
影がうごめいていた。
一斉にハトたちは顔を上げて、小さなふたつの光がたくさん
こちらを見た。
「おまえに大事なことを教えてやろう」
酔っているせいか、師匠がいつもと違う口調で俺に話しか
けた。
思わず身構える。
「いや、前にも言ったかな・・・人間が死んだらどこへ行く
と思う?」
「はぁ? あの世ですか」
師匠は深いため息をついた。
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