そうめん

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これは怪談ではないが話しておかないといけない。     師匠は突然サークルに顔を出さなくなった。   同期の先輩に聞くと、大学にも来ていないとのこと。   心配になったので僕は師匠の家を訪ねた。   そこにはゲッソリやつれてはいたがまぎれもない師匠がいた。   「食欲が無くて、一週間そうめんしか食べてない。」   なるほど、それはやつれるわけだ。   「なんか野菜とかないんですか?死んじゃいますよ。」   部屋を漁ってみたが食べ物は全くなかった。   夏バテですか?と聞くが答えない。   僕はもう知りませんといって薄情にも家を出た。   僕は師匠を尊敬していたが、妙に子供っぽいところがあったので少しナメていた。 そのころはタメ口も聞いてたし。
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