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いつも以上に長い口付けにイリスは、身体の中心が熱くなっていることに気付いた。シーツに隠れて男には見えていないが、絡め取られる様な舌の動きに頭の芯が痺れてくる。
「私に反抗的だとどうなるか教えてやろう…」
長い口付けを終え、顔を離した男は瞳の色を赤く変えていた。熱に潤んだ瞳を伏せて、荒い呼吸を繰り返すイリスの顔を覗き込んだ。
「ハァ…ハァ…何を…」
自分を射ぬく様な鋭い赤い瞳を向けるこの美しき悪魔の前では、小さく脆い生き物だというのが圧倒的に思い知らされる。
「実に身体は素直だな…」揺れる瞳を見ていた男は、イリスが何を考えいるのかを把握しているように、目を細めて下半身に視線を向けて、手を降ろしていく。
「いっ…触るな…ひぃ…」捕まれた両手にいくら力を入れてもまったく動かない。そのうち、シーツの上からでも分かる程盛り上がった部分を握られると身体を強張らせた。
「私を考えて慰めていたんだろう…」
赤面する顔を左右に振り乱すイリスの様子を伺いながら、覆い被さっていたシーツを捲る。空気に晒された下半身の勃起した陰茎は亀頭を晒して透明な蜜液を溢れさせていた。
「黙れっ…お前のせいだ…」
再び、男の手が伸びて手中に納めて軽く扱きだすと、身体をビクつかせた。
それでも、イリスは顔を上げて男を睨み付けた。
しかし、いつもなら気にも止めない男だが、様子が違っていた。
「では…責任をとるとしてたっぷりと昇り詰めさせてやる…」
楽しんでいるのか笑みを浮かべた男は、露出した胸に顔を寄せた。僅かに尖り始めた小さな突起に唇を寄せて、舌で舐める。
「やめ…ろ…このぉ…」
壁に後頭部を押しつけて、二ヶ所からの甘い痺れに抗(あらが)うイリスは、舌のざらついた表面で何度となく、撫でるように舐める男の前から今にも逃げたしたいが、部屋の片隅にいて両手を壁に縛られている為、動く事が出来なかった。
唯一、動かせる両足で動かされる手を止めようとしたが、無駄な抵抗におわった。
「邪魔だ…足を開け…」
動ごく両足に気付いた男は、手を止めて言葉を発した。その途端両足は膝を曲げた格好で足の裏をベッドに付いて離れなくなった。
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