苦悩1

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「お前には私の肉を埋めてある…それがどういう事か分かるか?」 ゆっくりと指を抜いて、イリスの両足を抱えた。  身体を割り込ませたリュードは、解された蕾に十分な堅さを保つ自身をあてがい、侵入を開始した。 「うあっ…あ…ああっ…」亀頭が腔内を進んでいくと、イリスは汗ばんでしっとりと濡れた黒髪を振り乱して、声を上げた。 痛みはなかったが背筋に走る強い痺れに身体がビクついていた。 「我が魔族は満月の夜を好む…どうしてだと思う?」 イリスの腔内に侵入しているリュードは、抱えていた両足の膝を曲げて大きく広げた。 「知るっ…か…」 深く入り込んできたリュードに苦痛に歪む顔で睨み返した。 「満月は力が湧く…しかし、同時に身体が発情する…」 荒い呼吸を繰り返すイリスの顔を覗き込み、静かに腰を引きだして再び差し入れた。その行為を繰り返す始めた。 「ああっ…止め…んうっ」揺さ振られて、深々と腔内を犯されているイリスは、次第に湧きだす快楽に溺れた。 「お前も我らと同じ…」 リュードは、充血した赤い瞳をイリスに向けた。紅潮した顔に汗で濡れている黒い髪を張り付けている。 しっかりした身体付きをしているのがわかる。 「ハッ…嫌だ、俺は違っ…ああっ…」  男の激しい動きについていけず、喘ぎと荒い息使いを繰り返すイリスは、沸き起こる痺れに必死に抗うように首を左右に振るいながら声が洩れてしまう。 「認めろ…お前の力が我が力となる事を…」  動いていたイリスの顔に手を伸ばし、顎を掴んで上を向かせた。 リュードは、きれいな顔を近付けてイリスを覗き込んだ。 「この悪魔めっ…うぅっ…あっ…ふぅ…」 目をまとも見ることなど出来ない、文句を言い掛けたところで唇を塞がれてしまった。息苦しさに顔を背けて離そうとしたが、侵入してきた舌に口腔を掻き回されて、口の端からは透明な唾液が溢れている。
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