家族

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家族と言う暮らしの中では俺は割と自由に育った 親父はただの酔っ払いで母親が家庭を支えてた 兄貴はいつも俺を苛めてたんだ でも親父は仕事してた頃は俺をいつもでっかいトラックに乗せて走ってた あの頃の親父は事故が原因で仕事を辞めちまった それから酔っ払いになり酒に明け暮れた 母親を殴り蹴り痛めつけ時々俺達を睨んでた 母親は我慢したが耐えきれず二人は離婚しちまった 兄貴はぐれたが俺は割と素直に育った 自由と言う暮らしの中では時に人を寂しくさせる 学校から帰ると母親は仕事に出掛けてるから夜遅くまで帰ってこない孤独との戦いだった でも母親は汗だくで帰って来ては辛いはずなのに笑ってた 俺達3人は分かっていても楽しいはずなのに時に俺は寂しさに襲われる 相変わらず酔っ払いの親父の姿は無いんだ 俺は親父に似たのか親父も毎日電話かけてきては寂しさ語った 何故なのか怒りを感じるんだ嬉しいくせに …俺は親父に似てひねくれてたんだ 俺は怒鳴った「もう電話かけてくんな」 それから5年後親父は死んだ… 今思うと事故った親父は自由に走り回る俺達が羨ましかったんだ 墓参りしてはあなたに誤りたくて ただ…誤りたくて 母親に愚痴を溢す時もあった 怒鳴った 俺ひねくれてたから 今年で61になるあなたに素直になりたくて ただ…素直になりたくて 兄貴は相変わらず上から俺を見てた だから俺は笑う事も会話すらもしなかった もうおっさんになったあなたに心開きたくて ただ…心開きたくて 時々見せる家族の笑顔に何か物足りなくて ただ…物足りなくて ただ…だだっ広い空を眺めながらあの頃の様にまたみんなで笑いたくて ただ…一緒に笑いたくて
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