悪魔降臨

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楽しかった日々も終わりいよいよその時がやって来ました。 昨日の晩に 明日から田伏課長が来るから今後は田伏課長の指示で活動するように と今はもうメッキの剥がれた田島常務から聞かされていましたがこの三日間は殆ど遊びの様な日々が続いていたのでその時は 明日なにすんねやろ? 的なお気楽な気持ちだったような気がします。 朝は9時30分出勤だったので電車の時間もありみんなバラバラでしたが大体は9時25分位には殆どの社員が出勤していました。 その日もいつもの様に駅で同僚と合い 今日から課長くんねやろ?面倒いわ~ などと他愛もない会話をしながら事務所に着くと事務所の前に見慣れないツートンカラーのクラウンが停まっていました。 ただの路駐だろうと気にもせずエレベーターに乗り込み おはようございまーす といつも通りの軽いテンションで意気揚々と事務所のドアを開けた瞬間 いつもとは違う妖気じみたただならぬ負のオーラが私達の横をすり抜けました。 いつもなら おはよーすっ と帰ってくるはずの事務所からは 今にも命燃え尽きるかの様なか細い声で おはようございます との堅苦しい朝の挨拶しか帰って来ません。 そうです既に悪魔は降臨していたのです! 事務所の前に路駐していたクラウンは既に国産3ナンバーの乗用車の域を越えた 悪魔の馬車 地獄の番犬 ケルベロス号だったのです!
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