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それから2回、インターホンが鳴ったが茉莉子は修司の部屋にこもって聞かないことにした。
藤原悠って誰!?
携帯解約しなきゃな。
静かな部屋だ。いつもならコンポのカウントが止まることなく動いてるのに、持ち主を失ったこの部屋は静かだ。時計だけが外の時間を刻んでる。
死んで今、どこにいるの?にぃ。
そろそろ、大学行かなきゃやばいなぁ…単位…。
―ガチャ―
玄関のドアが開く音がした。
あ、にぃ、帰ってきちゃった。
だから死んだんだってば。
…誰?!
茉莉子は体を強張らせて閉まっている部屋のドアを見つめる。
確かに誰かの足音がする。
ゆっくり廊下を歩いてる。
さっきの人だ。
きっとそうだ。
茉莉子は確信した。
あの人怪しかった。
あぁ、私も死ぬんだ。
殺される…。
そう思った瞬間、ブルっと恐くなった。
死にたくない。
殺されるなんて…誰か…にぃっ…。
足音が茉莉子のいる修司の部屋の前で止まる。
茉莉子は呼吸も忘れてジッとドアを見ていた。
隠れなきゃ。でも体が動かなかった。恐い。
―ガチャ…
暗い部屋にリビングの明かりが入ってくる。
その明かりで見えた人影はすぐに茉莉子を見つけた。
「チッ人が居た。」
そうキャップを被った男が言い捨てた。
「誰…?」
茉利子はつい、聞いてしまった。
答えるワケないのは分かってるけど、聞かずにはいれなかった。
思っていた人とは違ったのだから。
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