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「…ありがとう、お兄さん」
倒れた男を見るも不思議と怖いと思う気持ちはなく、これで自分も死ねるんだと思っているのか少女は凛音にお礼を言うと目を閉じた。
凛音は剣で少女を拘束してる物を切れば見下ろしながらも問いかけ。
「貴様の名前は」
「……まみ。 魔魅だよ」
「魔魅、私と来い」
いきなりの凛音の言葉に魔魅と名乗る少女は目を見開いて驚く。
凛音は自分が着ていたマントを裸の魔魅に着せれば有無を言わさず抱き上げた。
「あ、あの…」
「私がここに来たのは座敷童の魔魅、貴様を妖怪学校に連れて帰るのが目的だ」
凛音の言葉に魔魅はついて行けないのか少し眉を下げて困ったように凛音を見つめる。
そんな視線にフッと小さく笑うと凛音はゆっくりと魔魅を抱き上げたまま歩き出す。
「…名前……貴方の名前」
「私の名前は凛音。 カラス天狗だ」
名前を名乗ると凛音はそのまま学校へと向かって飛んでいった。
―――時雨に言われなければ貴様には会えなかった。
―――愛してる、魔魅。
あの暗闇から君を見つけ出した。
それはきっと運命。
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