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「…クロ…、僕のクロ…」
まるで病人みたいな白い肌をした青年の指が倒れ込んでる黒髪の青年の頬に触れる。
黒髪の青年の身体には殴られたような痕や鞭で打たれたような痕がたくさん残っていた。
「ク、ル…」
痛めつけられた青年、クロスは拒絶するかのように頬に触れてる手を振り払う。
「…痛いよ、クロ」
振り払われた自分の手を優しく撫でる青年、クルスはクロスを愛おしそうに見つめる。
だが、そのクロスを見つめる瞳にはどこか狂気も見える。
クルスは撫でていた自分の手をゆっくりと上げると勢いよくクロスの頬を平手打ちした。
「痛っ……俺に、触らないで下さい」
「何で? クロは僕のでしょ?」
当たり前のように話すクルスにクロスはまるで嘲笑うかのように小さく鼻で笑う。
「俺は俺のです」
その言葉を聞くとクルスはまたクロスを殴る。
何度も何度も、クロスが気絶してもクルスはクロスを殴り続けたのだ。
クロスを殴り終えたクルスは立ち上がりその部屋を出て行く。
歩いてるクルスの頬には一滴の涙が零れていた。
(何で僕を好きになってくれないの?)(お願いだから好きになって…)
(これも俺の愛情表現の1つです)(愛してますよ、クル)
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