プロローグ

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彼の胸には深々と足場用のパイプが突き刺さっている。 必死にパイプの回りを両の手で押さえ付けているのが伺える。 そこからは赤い血がドクドクと流れ始め、上着を鉄色に染めていく。 頭をうちふらつきながらも彼を見つけた私はその状態に声をかけるのも忘れ絶句してしまった。 私よりも先に彼が声をあげた。 「…~さん、…俺の目はまだ見えてます、  これで…」 右手のブレスレットは血に染まりまるで最初から鉄色であったかのようだ。
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