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よしぞうは着替えてくると、さっき持ってきた笹を見ながらニコニコしている。
「よしたか、これが何か分かるか?」
「えっ?笹の葉でしょ?」
「へへっ、ただの笹の葉じゃないぜ。 こいつが遊び道具になるんだ」
そう言うとよしぞうは、お父さんの道具箱からハサミと切り出しを取り出し、竹ひごを持ってきた。
「よしたか、俺がやるようにやってみな」
「うん、けど、何を作るの?」
「それは出来てからのお楽しみだ」
よしぞうはおっちょこちょいだけど、手先は器用だ。お父さんにはさすがにかなわないけど。
僕はその作業を見よう見まねでやってみた。
「へぇ、よしたか、やるもんだな。」
「そ、そうかな?えへへ」
「よし、完成だな」
「これって…」
「水車だ。来いよ」
そう言うとよしぞうは玄関へ向かった。僕らは傘をさして外へ出た。
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