蝶よ花よと呟き声

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それから男――彼はたまに顔を見せるようになった。 三日と空けずに来ることもあったし、一月ほど姿を見せないときもあった。 彼は世話係の子供達になぜか好かれている。 屑入れの中身を取りに来た子に飴玉などをやっていた。 本当は客が居る間は取りに来てはいけないのに彼が甘やかすものだから子供達は何度も足を運んでくるのだ。 一度子供を叱りつけたのだけど、彼は小さな頭に手をのせて困ったように笑うだけで。 このぼんやりとした顔をへらりと笑みの形に変えているのは正直、あまり見たくないと思う。
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