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「小野、すまんが今話せるか」
『何だ?ウチが夕べのヤマで詰まってるコト知ってんだろ。お前と時間潰してるヒマはねぇぞ』
刑事という職業は、人を粗雑にさせる。もっとも小野の場合、それ以前の環境まで遡る必要がありそうだが。
「いや…そんなに忙しいのか。そのヤマって…コロシの線で追ってるんだな」
『んなもん、今喋れる訳ねぇだろ。第一、二人同時に心臓マヒでポックリなんてあり得ると思うか?』
調子に乗せると、自分の活躍ぶりをベラベラ喋り出す。
それが小野の、サツ官としての致命的な欠点であることを、付き合いの長い狭間はよく知っていた。
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