~ 解 凍 ~

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「そうか。大変だな…まず頑張ってくれ」 『おい、何の用だったんだよ?』 「いや…こないだ飲んだ時、お前に立て替えてもらった分な、いつ返せばいいかと思ってさ」  白々しいとは思っていたが、他に用件が思いつかない。 『このヤマが片付いたら、またスズキノ出るぞ。今度はお前のオゴリでな』 「じゃあいつもの『新富士』でいいか」 『馬鹿、安酒ばっか飲んでられるかよ。ちゃんと姉ちゃんの付いてくる店だ』 「わかったよ」  狭間は携帯を閉じると、煙草に火をつけた。
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