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しかし、狭間はそれでも満足していた。
文字とタイミングを材料に、脳内でぼんやりと構成された美穂の虚像は、目の前で表情をくるくると変えて愉しげに話す、実在する美穂の美しさに遠く及ばなかった。
『常連』共が、ネット上で美穂の美しさについて全く触れようとしなかった理由が、即座に理解できた。
みな、ライバルをこれ以上、増やしたくなかったのだろう。
そして、狭間も彼等と同じ心情にかられたことに気づき、苦笑した。
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