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「もうよい、好きにするがいい。昔からお前は言う事を聞かなくて困る」
国王は続けた...
「門の前で泣き崩れていたお前を城に入れてから、もう二十年以上たつじゃろう..」
クリスも懐かしみながら言った。
「そうですね、国王に拾われてからそのぐらいはたちます」
国王は半ば呆れたように...
「その子はお前の子供だ好きにするがよい、しかしだ!【アシュラ】の事を私も忘れた訳では無い!!!それに国民にもしめしがつかん!!」
クリスは真っすぐな瞳をして言った。
「見逃していただいただけで、私は申し上げる言葉がありません。今夜中に国王のご迷惑のかからない所まで行くつもりでいます。」
クリスは深々と頭を下げた。
国王は髭に手をやりながらクリスに言葉をかけた。
「しかしだ、護衛隊隊長がいなくなるのは...我が国としても出来れば避けたい事態だ。そこでだ街の外れにある森の中に、街の者は知らぬが家がたっている。」
国王は続ける..
「そこならば、国民に不安を与える事なく過ごす事が出来るはずじゃ。そなたの子供が国のために手柄をとるような事があれば...、【アシュラ】と同じと思う者はこの国にはおらんじゃろう...」
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