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あれは本当に夢だったのか……その疑問は家に帰ってからも頭の中で渦巻いていた。
「…ぃ……ぇて…」
何でこんなにも気になるのか自分でもわからない。もし叶うのなら、あれが夢だったのかどうか真相が知りたい、確かめt…
「聞こえてるのか!?仁瀬!!」
ゴス!と側頭部に伝わる衝撃と共に椅子ごと倒れた俺は、衝撃を受けた方向を睨みつけた。
「―ってぇ……何しやがんだ!?このハゲ親父!!」
「誰がツルツルぴっかんだ!ゴラァ!!俺の遺伝子引き継いてんだから、いつかはお前もこうなるんじゃボケェ!!!」
「そこまで言ってねぇだろ!?…つうか、何逆ギレしてんだよ!!」
「やかましい!!…お前こそ、久しぶりに家族水入らずで食事をしようという時に考え事とは何事だ!?恥を知れ!!!」
「いちいち怒鳴るんじゃねぇよ!鼓膜に響くだろうが!!」
「お前も人のこと言えんだろうが!?」
「んだとぉ!?」
∑バン!!
テーブルの上に並べられた食器が少し浮いたんじゃないかと思えるくらいの衝撃音に、俺と親父はその場に凍り付く。
「…二人とも?その辺りにしておきなさい……折角の料理が冷めちゃうでしょ?」
ニコリと笑う母さんの額には青筋が立っている……これ以上は危険だと判断した俺と親父は大人しく席に戻った。
「…まあ、とにかくだ!久々にこうして家族全員が集まったんだから、母さんの料理を堪能しようじゃないか」
爽やかにそう言ってのける親父だが、威厳が全く感じられない……ま、家の中じゃ元からそんなもん微塵もないけどな。
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