山紫水明

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「それで?俺になんの関係があるんだ?」 机に肘を立て、そこに顎を乗せながら少々怒りぎみに言う。 怒るのも当たり前だ。 只今の時刻午前6時半、普通ならお気に入りの毛布にくるまってヌクヌクしている。 「まぁそうふてくされるな」 対面式に座っている父親はにこやかに笑う。 「で結局なんなの?」 内心はなんて言われるか知っていたがそこは社交事例、聞くことにした。 「今からそこに行ってこい」 やっぱりな…………。 「そうだと思ったよ」 俺は父親から目を放し、遠くを見つめる。 四方を山に囲まれ、他とは完全に隔離された空間。 森林の間に見える小さな一軒家。 木で作られた簡単な家は質素だが中々見映えのある家だった。 他に民家らしきものはなく、その家だけがぽつねんと立っていた。 他人から見たら安らげる場所なのだろうが長年ここで生活しているため、正直飽きた。 「それじゃ早速……」 「いきなり?1つ言うけど、俺前のやつ終わって帰ってきたの2日前だぜ?」 これから色々やろうと計画してたとこだったのに! 「そんなこと俺も分かってるさ。だがよく聞け。朗報だ」 朗報?甘いものでもくれるのか? 期待はしない方が良さそうだな。 「今回でお前の仕事は最後だ」 「最後ね。……ん?マジで!終わり?」 強く机を叩いた。
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