山紫水明

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嬉しさのあまり、ガッツポーズをとる。 「さらに後2つ言っとくべきことがあるんだが」 父親は少し苦笑いを浮かべ、俺に目線を合わせないで下がり調子に言った。 すんごい嫌な予感がするんですけど…… 嫌な冷や汗をかきながら父親の声を待った。 「今回は平たく言えば学校に通ってもらうことになるんだが」 学校?それってあれですか、ペン持って紙にカキカキする場所ですか? 「俺に勉強しろってことか」 この世に生を受けて16年。 場所が場所だけに学校どころか友達さえ持ったことがない。 「うんまぁ勉強もそうなんだがな。さらに、」 「さらに?」 たまらず復唱した。 「あれも今そっちにいるんだよ」 冷静に机を強く叩いた。 今度は嬉しいのではなく拒絶の意味を込めて。 「あいつがいるなら俺要らないだろ」 「あいつはただ通ってるだけでそう言ったことはことで行ってるんじゃないんだよ」 父親はついに責任放棄を始めた。 ふざけるな!俺の人生プランを返せ! と叫びたいところだが結局何を言ったところで結果が変わらないことは知っている。 「俺、準備も何もしてないぞ」 もはやため息混じりで言った。 父親はそれを聞くとニヤッと笑った。 「準備なんて要らないよ」 父親とは違う、後ろから声がした。
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