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家に帰宅した後も先ほどの子猫の姿が頭から離れず、今日の授業で課された宿題にも手をつけられずにいた。
あの子猫は今もあの場所で倒れたままなのだろうか。車に轢かれたり、子どもたちにいたずらされていなければよいのだが。
そうやって子猫のことを考えているうちにふと気づいた。
俺は偽善者だ。いくら心配しようが子猫を救うことなんてできないし、状況が変わることなどない。もし偽善でなければとっくに子猫を動物病院にでも運んでいたはずだ。
俺は心配することで自分の中にある罪悪感を打ち消したかっただけだった。結局は友人たちと何も変わりはしない。
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