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子猫のことで頭を悩ませた翌日の学校帰り、また例の住宅街へと続く入り口が見えてきた。
嫌でも昨日のことが思い出され、すぐに頭がいっぱいになる。隣で喋っている友人の軽口にも曖昧に頷くことしかできない。
住宅街に入り、子猫が倒れていた場所の近くまで来た。
さすがに今日はいないだろうと、願望に近い期待のこもった感情が湧き出てくる。
もしかしたら昨日は寝る場所を選ぶ余裕もないほど眠たかったのかもしれない。
きっとそうだ。
だが住宅街の一角に差し掛かった時、そんな期待や推測はいとも簡単に打ち砕かれた。
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