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思いもかけない言葉に驚いて目を上げると、そこにはスポーツ焼けした色黒の青年が立っていた。
自分よりはおそらく相当年上だろう。
ごつごつした指は、シートベルトから手を離したばかりの結城の、すぐ隣のシートを指していた。
結城は黙ってうなずく。
「まいったぜ。自分の座席行ったら、ちょっと目ぇ離したスキに小学生のたまり場になってやがった。なぁ、隣いいだろ?」
有無を言わさない質問に、結城はふたたび黙って頷いた。
それを最後まで見届けたか見届けてないかのうちに、青年はどっかりと隣に座ってくる。
結城はまじまじと彼を見返した。
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