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外に出ると、軍事用らしきヘリコプターが待っていた。
「お乗りください。」
「ちょ…ちょっと待ってください!!大学内じゃないんですか!!!?」
僕の手を握り、後ろで怯えるハルカを見て少し怒りを覚えた僕は、口調を荒げて言った。
「申し遅れました。私は厚生労働省の依頼により参りました科学警察研究所の者です。」
「は!!?なんで科警研が!!?」
「まぁ、私どもの方が他の機関よりも大学との連携がスムーズにとれますのでね。ちなみにこの大学の研究室とも普段交流があるのですよ。」
「いや、そういうことじゃなくて、なんで警察が!?つかなんで厚生労働省!!!?」
「それも後程お話しますので。」
よけい理解できないが、とりあえず僕たちはヘリコプターに乗り込んだ。
ハルカは一言も喋らず、じっとしている。
「大丈夫。大丈夫だから。」
隣で震えるハルカに、僕は小声で語りかけた。
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