第一章『黒く深い深海へ』

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 こいつらにとって、ハルカさえ監禁できたら感染は抑えられる。感染さえしないのであれば、研究こそしてもワクチンを精製する必要はないのではないか?     いろいろ考えているうちに、ヘリコプターはとあるビルの屋上に着陸した。   「さ、どうぞこちらに。」     防護服の人に囲まれたまま、僕たちはヘリコプターを降りた。     僕たちが降りた後、消火器のようなものでヘリコプターを消毒していたのが見えた。     屋上からエレベーターで地下に降りる。     エレベーター内でも、防護服の連中は僕たちを囲む。     エレベーターが二階を通り過ぎた瞬間、僕は無理矢理手を伸ばし、一階のボタンを押した。    「なっ!!!?」      エレベーターはすぐに一階に到着し、ドアが開く。と、同時に僕はハルカの手を握り防護服の連中をはねのけエレベーターを降りた。   「こら!!!!待て!!!!」    幸い、出入口はエレベーターから見える場所にあったため、ハルカを連れて外に飛び出した。
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