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僕はその日、講義が終わり部活が始まるまでの一時間だけハルカと会う約束をしていた。
待ち合わせ場所は校内の喫茶店。
僕が喫茶店に着いた時にはすでにハルカが待っていた。
「ごめん、待たせたね。遅くなった。」
「ううん。私もさっき着いたとこだから。」
普段、飲むのが遅いはずの彼女のアイスコーヒーが半分以上減っているところを見れば、彼女が僕に気を遣ってくれていることがすぐわかった。
「アラタくんは何飲む?それとも何か食べる?」
「えーと…じゃあ僕もアイスコーヒーにしようかな。」
ハルカは女の子では珍しく、コーヒーはブラックで飲む。僕は逆にミルクやシロップを入れて甘くして飲む。
「ハルカは今から何するの?」
「私は……もう講義もないし、家に帰ってゲームかな。」
「もしかしてあのゲーム?まだクリアしてないの?」
「うん……レベル上げが楽しくて……。」
「レベル上げって、あれ買ってもう1ヶ月以上経つよね?今レベルどのくらい?」
「71。」
「いや十分だろ。もうそれ簡単にクリアできるよ。」
そんな他愛もない会話をしていると、突然校内放送が始まった。
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