2009.2/4

2/4
1266人が本棚に入れています
本棚に追加
/950ページ
…うちは、人力車に乗っていた。   うちと変わらない位の年の兄ちゃんが人力車を引いていた。 髪をツンツンに立て、ベージュのロンTを着た至って現代的な格好だった。     「この先に凄く綺麗な場所が有るんですよ!!」     そう言って、人力車は先に進んで行った。       「…ここですよ!!」   右側には浅い池があり、黄金色と赤色の斑色した小型の鯉と少し大きい金魚が泳いでいた。   うちは金魚を見るため、人力車から降りた。   「あぁ…綺麗な所だね…」 そう言いながら、うちは先へ進んだ。       …この時、目の前には公園が、後ろに神社が有るような気がした。     すると、霧が段々濃くなってきた。     『何だか、ヤバい気がする…』     そう思った。   「スイマセン、ちょっと急ぎましょうか?」お兄さんを背にして言った。    …返事がない?     振り向くと、その兄ちゃんは何故か靴と靴下を脱ぎ、ズボンを膝まで上げて池へ入っていた。     「何してんですか!?」 そう叫んだら、兄ちゃんはキョトンとして、 「あれ?何で、池の中に?」と不思議がっていた。       「良いから早く上がって、この場から離れよう!?」 うちは兄ちゃんの手をとり、池から上がらせた。    すると、霧がもっと濃いくなった。すると、神社方面から自分が乗っている人力車が近寄って来た。   よく見ると、人力車を引いてる人は、黒い着物を着て竹か何かで編んだ帽子を被っていた。 乗っている人は、2人…  1人は赤い着物を、もう1人は緑色の着物を着ていた。 これで、現代の様なメイクならまだしも、メイクまで白塗り、赤い口紅、麿眉ときた…     正直、見た瞬間、『げ。』と思った。
/950ページ

最初のコメントを投稿しよう!