刻み

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「アキラ。」 「だめ。」 「アキラ。」 「だめだよ。」   ベリアルがひたすら僕を呼んでいる。 あまりに渋る僕にベリアルは困惑に眉を歪めて僕の手を掴んだ。   「ムルムルが泣きながら土下座するんですよ。 なんとかしてください。」 「口にガムテープでも貼れば良いよ。」 「あ。」 ベリアルはぽんと手を打って部屋を出ていった。   あれからムルムルはベリアルと共に行動させている。   灰空の長女の監視に本来二人もいらない。 だがアモンの予言が気になりムルムルを一人にできないのだ。   気を抜くと二階堂の元へ行こうとする。       「むーーーーっふーーー!!」 どだだだだだだ   廊下を駆ける音…とくぐもった声。
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