淀み。

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「に、かいどう・・・。」 ムルムルが絶句した。 無理もない。 二階堂家はソロモンの血を分けた悪魔払いの名家だ。 しかも進哉は次期当主。 そんな奴を見張れば直ぐ様ばれて封印されてしまう。 いや、封印ですめばいいほうか。 「やれとは言わない。二階堂家は僕とコネがあるから月一で情報が送られてくる。」 「月一・・・そんなペースじゃ間に合わないでしょう?」 ムルムルは震えながら僕を見た。 「仕方ないだろ。 下手に手を出したら大切な仲間が消えてしまう。 お前が消えたら意味がないんだ、ムルムル。」 でも、と詰め寄るムルムルを静かに制した。 「ムルムル、頭を冷やせ。 なんなら俺の仕事についてくるか?」 ベリアルが半泣きのムルムルを宥めた。 ムルムルは静かに頷いて二人が僕の部屋を出ていった。  
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