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で、深山さんもシャワーを浴びて(私の吐瀉物のお陰で二人とも惨憺たる有様だった)同じ布団に寝て、まぁそういう事になった。 私を組み敷いて、深山さんは一瞬困ったように呟いた。 「いいのかなぁ?」 「別に、私はかまいませんよ?」 「いや……それは今、琴ちゃんはかなり酔ってるからそう思うんだろうけど」 ……実際は未遂だった訳だが。深山さんは相当飲んでいたお陰で機能しなかったし。しかし一線を越えた事に変わりは無い。 やったのか、やってないのか微妙な時間が経過した後。うつらうつらと眠りかけだったが、深山さんがポツンと呟くのが聞こえてきた。 「いいのかなぁ?よかったのかな?」 悦かったのか、というような聞き方ではなかったし、深山さんはそういった事を聞くような人では無いはずだし、独り言のようだったので私は返事を返さなかった。 戸惑って、何かを恐れ慄くような響きを声色は有していた。 「よかったんだろうかなぁ?」 もう一度だけ呟いて、深山さんは私の頭を撫ぜた。必死で寝たふりをしていた。やがて隣でぐぅぐぅと小さな鼾が聞こえてきた。深山さんは後悔しているんだろうか、と思うと悲しくて泣きそうだったが、睡魔に負けてそのまま私もぐぅぐぅ眠った。 そんな事があった二週間後くらいにご飯を食べに行って、一ヶ月くらい後にまた一緒に深山さんの家へ帰った。 何度かそういった事の最中に熱に浮かされた状態で「好き」を囁いたり呻いたりもしたけれど、その度に「うん、うん」と深山さんはのらりくらりと受け流す。 決定的な言葉を返してはくれない。 一度説教をされた。 「僕みたいな寂しいつまらない只のオジサンを好きになっちゃ駄目だよ琴ちゃん。あまり知りもしない男に、ハイハイと頷いて付いて行っちゃ駄目だ。危ないんだから」 悔しくて、深山さんの前で大泣きした、叫んだ。子供扱いするな、そんなこと言うならじゃあ何で深山さん私と寝るのよ、御飯誘うのよ! 「寂しいからだよ」 さらりと深山さんは言った。 「一人は寂しいから、琴ちゃんみたいな可愛い若い娘と御飯食べたり同衾したくなるんだよ、最低なオジサンでしょう?」
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