1.秋風に舞う君

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「ひっ…!?」 「神の怒りを…受けるがいい!」 散葉が暴走した。 昨日も咲夜に同じように危害を加えようとしたけど今回は少し違う。まだ炎は使っていない。でも、鉄のドアに突き刺さるような葉っぱを喰らったら人間にとっては致命的だ。 だから零也のとる行動は決まっていた。 「散葉さん…駄目ぇ!」 二人の間に零也は割って入った。 「え゛っ!?ちょっ…止まれぇ!」 すんでのところで葉っぱは鋭い先端からくるりと向きを変えた。しかし勢いは止まらず、零也の顔やら腹やらにばしん、びしん。 「くぅ~…」 どうやら操られている間は葉っぱ全体の硬度と重量が増しているようだ。結構、痛かった。 「あぁ、零也!」 響は近寄ってきて抱きついた。空気中の殺気が凝縮されるのがわかった。 抱きしめてくる響からなんだか違和感を感じた。肌がざわざわするような感じ。 「零也くん…!あぁ、私ってばなんてことを…零也くんに攻撃するなんて!ごめんね、ごめんねぇ…」 涙をポロポロ流す散葉はすぐに駆け寄ってきて響の手の中の零也を奪って抱きしめた。とくんとくんと優しい音がした。響のような違和感はない。
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