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四人はソファーに腰掛けていた。校長室の入り口側のソファーに散葉、零也。その反対側のソファーに咲夜、政基。
「なるほど?なにやら自信満々だったと思ったら神降ろしとは…しかし、それができなくなったと」
「ええ…零也くんに痛い思いはさせられないし、今回の一件は降り…」
「7日」
咲夜は散葉の言葉を遮った。
「星山周囲に現在わたし達が展開している意識認識阻害結界の保てる時間と、中の大妖が出てくるまでの期限です」
「意識認識阻害結界?あの、そこにあるものを認識できなくなるあの?だったら7日で瑠璃波の隊員を戻しなさいよ」
「無理です。現在、一般隊員以外は全員が任務についています。それに、あなたは無関係ではありません」
「どういうことよ?」
ばさっと咲夜は資料を机に並べた。そこには重々しく『雪鬼』と書かれていた。
「どうやら散葉さんを封じていた結界は多重結界だったようです。一つの結界に複数の者を封じる高等技術です」
「…で、この化け物が私と一緒に出て来たと」
化け物。散葉は妖怪ではなく化け物と言った。それが気になって散葉が持っている資料を零也も見てみた。
「雪鬼の経歴?
いつから存在するかは不明、太古の時代から生きていたと見られ、大妖・氷竜と共に南極、北極を……つくった?」
ケタが違いすぎる。
今の二人では絶対に勝てない。零也にすらそれがわかった。
「7日。その間になんとしても力を取り戻してください。今回の戦いには木霊、山声響さんと────」
「鬼である俺が参加する」
「…え?」
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