2.仲直りしましょ?

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       ☆ 「出せ!出せ!ここから出せ!」 叫びながら彼は走っていた。 しかし、彼が人間でないのはすぐにわかる。まずは青い肌。 次に頭から突き出た角。 決定的だったのは彼が走った場所が凍っていたことだ。 「力を…使わせろ!あいつを…!あの術者を殺させろぉ!」 彼は、雪鬼。 復讐に身を焦がす者。 「がぁぁあああ!」       ☆ 「この森を抜けるとあるんです」 「へぇ、零也くんよく見つけたね?」 散葉がそう言うのも無理はなかった。広大な敷地の中でも唯一、全く手付かずの森は侵入者を拒むようにざわめいていた。 「えへへ、小さい頃はお母さんを探していろんな場所に行きましたから」 幼かった零也には母がいなくなった事実が飲み込めなかった。どこかに隠れているんだと信じて疑わなかった。だから零也は毎日日が暮れるまで探した。その時にたまたま見つけたのがここだった。 「…そっか。うん、行こう?日が暮れちゃう。今日は目一杯楽しまないとね!」 「はい!」
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