2.仲直りしましょ?

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「あ、ここですね」 がさっと草をかき分けた先には少し開けた空間があった。 すぐ横の石には『高天原公園』と掘られていたが、散葉にはそんなもの見えていなかった。 「秋になるといつもこうなんですよ?」 高天原公園は木で覆われていて、木の枝々が絡み合い、天井を形成している。 しかし、不思議とその天然の天井は太陽の光を遮ることはない。さらにその天井から舞い落ちる落ち葉は雨のようにとめどない。降り積もった落ち葉によって地面は赤い絨毯となっていた。 「綺麗…」 「あの…散葉さん…」 「ん?なぁに、零也くん」 「ここには誰もいませんから…髪の色、戻していただけませんか…?」 今日ここに来たのは半分がそれが目的だったりする。 赤一色の世界でより鮮やかに揺れる散葉の髪はどれだけ美しいか。考えてしまったから、見たくなってしまった。 零也が見つめる中、散葉の黒髪は赤く染まる。 「…これでいいかな、零也くん」 「すごく…すごく綺麗です…散葉さん」 思わず見とれてしまった。 ある程度の予想はしていたのに、その全てが現実に存在している彼女の前では意味をなさなかった。 「えへへ、そうかな…やっぱり零也くんに言われると嬉しいなぁ…」 何故だろう。 今だったら、できる気がする。 「散葉さん、試してみましょう。神降ろしを」
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